現在、救急車が重篤な傷病者(心肺停止など)を搬送する場合、病院へ到着するまでの間に救急救命士がいくつかの高度な救命処置を行うことが認められています。これは、病院到着までの間に重症傷病者の状態が悪化するのを防ぎ、また、少しでも良い状態に改善してから病院での治療が受けられるよう、医師の直接指示のもとで医療行為を実施することが認められたものです。本来、医療行為は医師のみが行なえるものでありますが、心肺停止傷病者の救命を図るため、一定の教育を受け国家試験に合格した救急救命士が実施します。
その救急救命士が行う医療行為もさらに高度化が図られ、気道(空気の通り道)に直接チューブを入れて人工呼吸をする気管挿管と、心臓の筋肉の動きを取り戻すための強心剤(アドレナリン)を使う薬剤投与が認められました。救急救命士のなかで、さらに特別な講習を受けて病院での実習を修了し、中丹メディカルコントロール協議会で認定された者が実施できます。
舞鶴市消防本部では、現在8名の救急救命士がその認定を受けており、そのうち4名が気管挿管・薬剤投与の両方の認定を受けています。今年度も2名の救急救命士が講習を受講し認定を受ける予定です。傷病者の状況によっては、現場での処置の時間が長くなる場合もありますが、重症傷病者の救命のため懸命に活動していることをご理解願います。
もしあなたの大切な人が倒れた時、救急隊も、病院でも最大限の努力をします。しかし、なんといっても救命のカギを握るのは倒れた人のそばにいる皆さんです。応急手当普通救命講習に参加して、あなたの勇気で救命のリレーをスタートさせてください。
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