傷病者に適した体位にすることは、呼吸や全身の血液循環機能を改善及び維持し、痛みを和らげ、さらに出血量の減少など、傷病者の症状の悪化を防ぐため重要となってきます。
1 半座位(ファーラー位)
半座位とは、上半身を約30~40度起こし膝を曲げ、その下に枕や毛等を入れる体位の
ことです。
① 急性腹症(胃潰瘍穿孔、腸閉塞等)、腹部外傷など腹痛を強く訴える傷病者に適して
います。
② 腹部の緊張と痛みを和らげる効果があります。
2 起座位
起座位とは、上半身を起こして布団などに寄りかかる体位のことです。
① 喘息や狭心症など呼吸や胸の苦しさを訴えている傷病者に適しています。
3 ショック体位
ショック体位とは、仰向けの状態で足側を15~30cm高く上げる体位のことです。
① 貧血や大量の出血などで気分の悪さを訴えている傷病者に適しています。
② 頭部に外傷がある場合は行ってはいけません。
傷病者の体位を変える際は、痛みや不安感を与えないようにし、体位を強制してはいけません。一番大切なのは傷病者が希望する最も楽な体位にしてあげることです。
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