夏は海水浴などの水の事故ばかりでなく、自動車内での子供の死亡、エアコンの無い部屋での高齢者の脱水症と、熱波による事故も多く発生し、尊い命が失われています。 舞鶴市では昨夏、熱中症等の『暑さ』が原因の救急事案(屋外)が20件発生し、その内高齢者は12人、子供は1人でした。
熱中症とは、体の中と外の『あつさ』によって引き起こされる様々な体の不調であり、熱波により主に高齢者に起こるもの幼児が高温環境下で起こるもの、暑熱環境での労働で起こるもの、スポーツ活動中に起こるものがあります。
熱射病(日射病)とは熱中症の内、特に病態が重篤なもので、体内の身体温度調節機能が破綻してしまい体温が40℃以上となり、汗は出ず、意識がモウロウとして、早い呼吸やショック症状となります。 熱射病をそのまま何もせずに放置すると、体内の血液が凝固し、多臓器不全を起こし死亡します。 しかし、発症から20分以内に体温を確実に下げることが出来れば、救命することができるとも言われています。
(1) 休 息
安静にさせる。衣服を緩める。
涼しい場所で休ませる。必要なら冷却を行う。(冷やしすぎに注意し、震えを起こさせない。)
意識がハッキリしている場合に限り、水分補給を行う。(無理には飲ませない。)
(1) 汗をかく前から水分補給をマメに行う。 (2) 無理をせず、定期的に休息をとる。 (3) 日傘や帽子、ゆったりとした服など暑さ対策をする。
熱中症では大量の汗をかき、体内の水分と塩分が失われ脱水症を起こします。 脱水症は次の3つに分類され、補給する水分が違います。
(1)
運動中に水を飲まなかった時に起こりやすく、体内の塩分濃度を下げるよう薄い塩水を補給します。
(2)
Na(ナトリウム)欠乏性脱水症
運動中に水ばかり飲んだ時に起こりやすく、体内の塩分濃度を高めるため少し濃い塩水を補給します。(0.9%食塩水:1リットルの水に小さじ1の塩)
(3)
混合性脱水
運動中の水分補給で、塩と水のバランスはよかったが、量が不足した時起こりやすく、ほどよい濃度の塩水を飲ませる。 状態が分からない時は、分類を考えず『スポーツドリンク』(塩分濃度0.1~0.2%)を飲ませることを勧めます。(5℃~15℃のあまり冷えていないものが望ましい。 また子供や高齢者は、体の機能的なものから脱水症になりやすく、自分で水分補給できない場合もあるので、周りの者が気をつけることが重要です。