皆さん、テレビなどで負傷者がサーフボードのようなオレンジ色の板で運ばれているのを見たことはないですか？
　この板は、交通事故・転落事故等による負傷者の全身を固定し、状態の悪化を防ぐ固定器具で、「バックボーﾄﾞ」と言います。　

　なぜバックボードに固定する必要があるかといいますと、体を乱暴に動かすことにより状態を悪化させてしまう場合があります。特に背骨の中には、「脊髄」といって脳からの命令を伝える主要幹線道路の役目をする神経があります。交通事故等により背骨の骨折・脱臼等によって「脊髄」が損傷してしまうと、道路が通行止めになるように命令を伝えることができなくなり麻痺を引きを起こしてしまう可能性があるからです。
　私達救急隊は、負傷者を「脊髄」にやさしい特殊な方法でバックボードに乗せてベルト固定をして安全に搬送できるようにします。
　救急現場に居合わせた方で、なぜもっと簡単に負傷者を持ち上げて、早く担架に乗せ救急搬送しないのかと疑問に思われた方がいらっしゃったかもしれませんが、このような理由から多少時間はかかっても、確実な全身固定を行います。

　　外傷による救急事故も現場に居合わせた皆さんの応急手当が必要不可欠です。
　舞鶴市消防本部では、月に一度「応急手当普通救命講習」を開催しております。どうか皆さん一度受講していただき、私達と共に助かる命を守っていきましょう！