救急車には、患者さんを搬送する器具としてバックボード、スクープストレッチャー、布担架があり、これらにはそれぞれの特徴があるので紹介します。
まず、バックボードの特徴は全身を固定できるように一枚の硬い担架であることです。交通事故などで強い衝撃を受け、脊髄神経を損傷すると、最悪の場合呼吸ができなくなります。脊髄神経の損傷が疑われる患者さんに対し全身固定をすることにより、動揺等による更なる損傷を防ぐ事ができます。
次に、スクープストレッチャーの特徴は担架を二つに割ることが可能で、患者さんを動かすことなく、左右からすくうように担架に乗せることができ患者さんの負担を軽減することができます。また、患者さんに適した長さに調節することが可能です。
最後に、布担架ですが、最大の特徴は柔軟さです。先にあげた担架と大きくことなり、座った状態など患者さんが望む一番楽な姿勢のまま搬送することができます。また、急な階段や狭所など場所を問わず、使用することができます。
これらの搬送器具は、現場に応じて患者さんに一番適した搬送器具を救急隊が選定し使用します。
こういった搬送器具はご家庭にはありませんが、毛布を使えば簡易担架として使用することができ、布担架の代用とすることができます。作り方は毛布の両端をくるくると丸め持ち手を作ると担架になります。地震等の災害が発生したとき、人手と毛布さえあれば患者さんを救出することが可能です。こういった簡易担架の作成方法など、災害時に役に立つ手段を地域の自主防災訓練で紹介していますので、開催されるときにはぜひ参加してください。
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