消防・防災最前線　救助活動編：NBC災害発生！ただちに出動せよ！NBC災害訓練実施

　近年、日本及び世界においてNBC災害が発生しております。昨年には、アメリカにおける炭疽菌事件、国内では、松本市と東京都で発生したサリン事件は化学テロ災害の恐ろしさと被害の大きさを痛感し、茨城県東海村の臨界事故では原子力災害の危険性と対応の困難さを改めて認識させられました。
　このようにテロを含むNBC災害に対する消防活動時には、対応する専門的な資機材の整備、常日頃の点検と訓練実施及び隊員のNBCに関する知識・技術・判断力が要求されます。
　テロを含むNBC災害等特殊な災害に対して、適切な現場活動による被害の拡大防止、NBC災害に対する知識及び救助技術の向上を図ることを目的に訓練を実施しましたので紹介いたします。

訓練に使用した主なNBC災害対応資機材
陽圧式化学防護服	７着	生物剤検知紙	一式
化学剤検知紙	一式	有毒ガス検知管セット	２セット
中和剤散布器	２器	除染シャワーセット	１セット
原子力災害用簡易防護服	６セット	放射線量測定器	３器

訓練想定１　放射性物資（N）災害

　国道上で、普通貨物自動車が単独で中央分離帯に激突し、車内に運転手１名が閉じ込められている。通報者は、同乗していた関係者で、通報段階で病院へ搬入する放射性物質を積載していたとの情報あり。直ちに出動せよ！

事故車両から放射線物が露出！

陽圧式化学防護服を着装

危険区域を設定

隊員により放射性物質を除去

同時に、車内に閉じ込められていた要救助者を救出

警戒筒先を配置し、火災に備える。

訓練想定２　生物剤（B）災害

　日本郵政公社○○郵便局において郵便物から白い粉が発見され、社員１名が体調不良となった。粉末発見後、局長の判断により客及び社員は建物内の出入りを禁止し、現場保存しているとの情報あり。ただちに出動せよ！

陽圧式化学防護服を着装し救出に向かう

隊員が連携し、除染テントを設営

防護服を着た隊員が、要救助者を救出

要救助者に中和剤の散布を実施

要救助者に除染シャワーを実施

要救助者をすべて救出後、隊員の防護服に、中和剤を散布

訓練想定３　化学（C）災害

　舞鶴市○○総合会館において、館内にいた職員及び来館者に多数の傷病者が同時に発生した。事故発生後、来館者数名が館外に避難しており、その者から来館者の一人が突然液状の物質を撒き散らしたことにより、建物内にいた職員等が目の痛み、呼吸困難、痙攣当の症状を起こしたとの付加情報を入手。ただちに出動せよ！

可燃性ガス測定器による測定

有毒ガス検知管による測定

除染テントとパネル水槽設定

要救助者を屋外に救出

中和剤散布器を使用

要救助者をすべて救出後、隊員が除染シャワー実施

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