皆さんは、「消防隊が使用する梯子」という言葉を聞くと、多分、高いビルの火災に活躍する「梯子(付消防)車」のことをイメージすると思います。消防では、他にも「梯子」を所有し、火災現場や救助現場で使用していますので、ここでは、この「梯子」についてご紹介しましょう。
この「梯子」は、消防車に積載し、消防隊員が手に持ち(肩に担ぐ)火災現場まで搬送して使用するもので、次の種類があります。それでは、それぞれの梯子の特徴や使用方法について説明します。
1 【 かぎ付き梯子 】
鋼製あるいはチタン製(軽量)で、長さが約3.1m程度、重さは鋼製で約10㎏、チタン製で約7.1㎏です。
アパートやマンションなどのベランダに金属製の「手摺り」があれば、「かぎ付き」部分を引っかけ、2名1組となって、ロープで安全確保を実施しながら登って行きます。
搬送や操作が簡単なのですが、垂直面を登っていくだけに、危険性があります。
2 【 かぎ付き二つ折り梯子 】
鋼製で、重さが約12㎏、長さが折りたたんだ状態で約2.1m、伸ばすと約4.2mになります。「かぎ付き梯子」と同じ方法で登りますが、一般民家の屋根上や2階の窓まで届きますので、利用の範囲は広くなります。上に登るだけでなく、崖下や穴に降りる場合も使用します。
3 【 3連梯子 】
鋼製あるいはチタン製で、長さが縮梯状態(梯子を収めたとき)で3.54m、完全に伸梯状態(3つをすべて伸ばしたとき)で8.74m、重さは鋼製で約50㎏、チタン製で30㎏あり、搬送は2名で行います。
建物の3階の高さまで届きまた、崖下や穴にも届きますので、利用範囲が広く、登はんの他に、
救助用ロープと各種器具を活用し救助活動にも使用します。
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